2018年11月より Google は APIレベル(ターゲットSDKバージョン)を26(Android 8.0) 以降に設定したアプリしかリリースを許可されなくなりました。今回は Xamarin.Android において APIレベルの変更に伴うアプリの動作を修正する方法についてご紹介いたします。
前提条件
・Windows10 Pro 64Bit 1709
・Visual Studio 2015 Community Update3
・Xamarin 4.8.0.760 (NuGet Xamarin.Forms 2.4.0.282)
・macOS Sierra 10.12.6 / Xcode 9 / Xamarin.iOS 11.6.1.4

1.APIレベルの変更方法
Android プロジェクトを右クリックしてプロパティを開きます。Androidマニフェストから 「Target Android Version」を Android8.0(APIレベル26 - Oreo)に設定します。
または Androidプロジェクト/Properties/AndroidManifest.xml を開き、以下のタグを追加します。
AndroidManifest.xml
<manifest xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android" >
<uses-sdk android:targetSdkVersion="26" />
</manifest>

2.ローカル通知のアイコン
ターゲット SDK バージョン 23 以降(Android6.0 Marshmallow 以降)でローカル通知(Local Notification)のアイコンがカラーのままだと白色でつぶれてしまう様に仕様変更になっています。透過アイコンを用意して、Notification のアイコンとしてセットします。その際、通知用のテーマ色設定をすることが可能になっています。
詳しくは以前の記事「ローカル通知する方法」に追記していますので、ご参考ください。
3.ローカル通知のChannel
ターゲット SDK バージョン 26 以降(Android8.0 Oreo 以降)でローカル通知(Local Notification)に Channel という設定が必要になっています。Channelが設定されていない Notification は発火しません。
詳しくは次の記事「Android 8 Oreo 以降の通知の実装方法」でご紹介していますので、ご参考ください。
4.FileProviderの対応
ターゲット SDK バージョン 24 以降(Android7.0 Nougat 以降)で Android 端末内(SDカード内)のファイルを取り扱う際に他のアプリに直接インテントを渡すことができなくなりました。FileProvider を介してインテントを渡すように変更になっています。詳しくは以前の記事「FileProvider の設定方法」に追記していますので、ご参考ください。
5.バックグラウンドサービスの禁止
ターゲット SDK バージョン 26 以降(Android8.0 Oreo 以降)では、バックグラウンドサービスが禁止となりました。そこでフォアグラウンドのサービスとして動作させることが一番簡単な対応となりますが、動作にローカル通知が必要で、アプリが動作していることがユーザーに表立ってしまいます。
詳しくは以前の記事「AndroidでOS起動時に自動実行するバックグラウンドサービスの作成方法」に追記していますので、ご参考ください。
6.AdMobバナーの対応
これは私特有のケースかもしれませんが、アプリにAdMobの広告を表示していましたが、ターゲット SDK バージョンを設定してから、広告がほとんど表示されなくなりました。
以下のサンプルの様にバナーサイズを設定したところ正しく表示されるようになりました。
AdBannerRenderer.csprivate AdView _adview = null;
protected override void OnElementChanged(ElementChangedEventArgs<Xamarin.Forms.View> e)
{
//中略
_adview = new AdView(Android.Content.Context);
_adview.AdSize = AdSize.Banner;
7.AndroidX の対応
ターゲット SDK バージョン 29 以降(Android10.0 Q 以降)では、2画面によるアプリ起動の制御などにより、今までの Android 名前空間に追加して、AndroidX 名前空間が追加になっています。
詳しくは以前の記事「AndroidX 名前空間への移行方法 -Android10の対応方法-」に追記していますので、ご参考ください。
8.終わりに
ターゲットフレームワークの変更は大きな挙動変更となりますので、くれぐれもGoogleのガイドラインに従って、動作確認・及びプログラムの改修を行いましょう。
https://developer.android.com/distribute/best-practices/develop/target-sdk
最後までお読みいただきありがとうございます。
当ブログの内容をまとめた Xamarin逆引きメニュー は以下のURLからご覧になれます。
https://itblog.dynaspo.com/blog-entry-81.html
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