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FunctionでRoundDown関数を作成する方法 | SQL Server


今回は SQL Server で RoundDown 関数を作成する方法をご紹介いたします。
SQL Server には端数処理関数としては標準ではあまり整っていません。そこで UI 側から呼び出す際に VBのみで記述したりするケースをよく見かけますが、それだとストアドプロシージャ(以下ストアド)内にて記述する際に、別途作成する必要が出てきます。このような共通処理的なものは Function として作成すると VB からも呼び出せるし、ストアドや View 内にも記述ができ、完全に共通な関数として作成できます。
よって、ここでは Function として切り捨て関数を作成する方法をご説明したいと思います。


SQL_RoundDown.png


前提条件
・Windows 7 professional 以降 / Windows Server 2008 R2 以降
・SQL Server 2005 Developer / Standard / Enterprise 以降



1.実装方法

作成する際のポイントは以下の通りです。
(1)正の数値の場合はFLOOR関数で切り捨てします。
(2)負の数値の場合はCEILING関数で切り捨てします。
(3)POWER関数により10の累乗を求めます。
   例 POWER(10, 3) = 1000
(4)引数の桁数が正の整数の場合、その10の累乗で乗算してから切り捨てします。 
   例 引数の桁数=2の場合、RoundDown(123.12×10^2)÷10^2=123.12
(5)引数の桁数が負の整数の場合、その10の累乗で除算してから切り捨てします。 
   例 引数の桁数=-2の場合、RoundDown(123.12÷10^2)×10^2=100.00


実際の記述サンプルは以下の通りです。
USE [testDB]
GO

SET ANSI_NULLS ON
GO
SET QUOTED_IDENTIFIER ON
GO

DROP FUNCTION IF EXISTS [dbo].[usp_RoundDown]
GO

CREATE FUNCTION [dbo].[usp_RoundDown]
(
@Price MONEY,
@Digit INT
)
RETURNS MONEY
AS
BEGIN
-- Declare the return variable here
DECLARE @Result AS MONEY;
DECLARE @Place AS MONEY;
DECLARE @Sign AS INT;

--金額が0の場合は計算しない
IF @Price = 0
BEGIN
RETURN 0;
END;

--符号を取得
SET @Sign = 1;
IF @Digit < 0
BEGIN
SET @Sign = -1;
END;

--切り捨てる桁数により10の累乗を求める
SET @Place = POWER(10, ABS(@Digit));

SELECT @Result = CASE
--対象の数値が0以上で切り捨て桁が0以上の場合
WHEN @Price >= 0 AND @Sign >= 0 THEN
FLOOR(@Price * @Place) / @Place
--対象の数値が0以上で切り捨て桁が0未満の場合
WHEN @Price >= 0 AND @Sign < 0 THEN
FLOOR(@Price / @Place) * @Place
--対象の数値が0未満で切り捨て桁が0以上の場合
WHEN @Price < 0 AND @Sign >= 0 THEN
CEILING(@Price * @Place) / @Place
--対象の数値が0未満で切り捨て桁が0未満の場合
WHEN @Price < 0 AND @Sign < 0 THEN
CEILING(@Price / @Place) * @Place
END;

--計算結果を返す
RETURN @Result

END
GO



2.実行結果

使用方法と実行結果は以下の通りです。

--使用方法--
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, -4);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, -3);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, -2);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, -1);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, 0);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, 1);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, 2);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, 3);
SELECT dbo.usp_RoundDown(1234.9876, 4);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, -4);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, -3);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, -2);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, -1);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, 0);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, 1);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, 2);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, 3);
SELECT dbo.usp_RoundDown(-1234.9876, 4);

--実行結果--
0.00
1000.00
1200.00
1230.00
1234.00
1234.90
1234.98
1234.987
1234.9876
0.00
-1000.00
-1200.00
-1234.00
-1234.90
-1234.98
-1234.987
-1234.9876



3.追記

SQL Server 標準のROUND関数でも第3引数に1を指定することによりRoundDownと同様の結果となります。
【例】
Round(1234.9876, -3, 1)






最後までお読みいただき、ありがとうございます。
他にも SQL Server に関する記事をご紹介しておりますのでご参考頂ければ幸いです。


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